西洋絵画というと、①で見たような、華々しい衣装や豪華な装飾、また、別荘の風景画などが、多くありそうだが、現実は残忍な絵も多い。今回の展示にも、オドロオドロしい絵があり、描かせた趣旨はなんだろうと、思わずにはいられなかった。
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生首を左手に持つ彼女サロメの微笑は、なんであろう。討ち取られた生首の男の目に、理不尽さと敗北感が強烈に伝わる。
このサロメは、オペラでも上演されるほど、有名な新約聖書の話である。
パレスチナの領主である、サロメのおじの、ヘロデ=アンティバスが、ある祝宴の時に、舞踏が上手であった姪のサロメに、「欲しいものを言いなさい。わが領土の半分でも、良い」と言い出したのである。彼女は、母が憎んでいた、聖者ヨハネの首を所望した。そして、お盆にのせられたヨハネの首が届けられたのである。
いま、NHKの教育TVで、怖い絵というシリーズで、中野京子氏が、まさに西洋絵画の、物言わぬ絵の恐怖を語っている。聞けば聞くほど、恐ろしい。 今回の展示には、ほかに、2点ほど、打ち首シーンがあった。
他に、目をひいたのは、展示室の一番はじめに、日本の浮世絵があった。これは明治天皇が、オーストリアとの友好のために、日本を紹介するために、50枚の絵を1冊に綴じた画集を2冊、相手の国王に送ったものが、140年ぶりに、初の里帰りをしたのである。
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ヨーロッパの絵を見に行ったのに、はじめに、江戸時代末期の浮世絵とは。 ぜんざいに塩昆布がついいているように、そのコンストラストが面白かった。
待ち時間が30分と、京都の寒空はきつかったが、見終わったあとの豊かな気持ちは、やや中毒気味である。
そういえば、青森の美術館長が、ある雑誌に投稿していた論文に、興味深い言葉があった。「文化遺伝」である。女史いわく、文化に対する関心や興味は遺伝すると。親が音楽を聞き、絵画を見ても、何らの興味を示さない、また、関心がない、おもしろくない、などと子供の前で言うと、その子供も、その親に習ってこうした芸術や文化に触れる事を忌避し評価しなくなる、というのである。自分だけなら、ともかくも、このように、自身の関心や感覚が他者に影響を与えていると言うことは、なかなか気づかないものである。
さて、次回は、中ノ島の国立国際美術館で開催される、ルノアール展。桜が舞う季節に、柔らかな、印象派の巨匠、ルノアールの絵を堪能したいと思っています。