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NHK「気骨の判事」

今年の夏は、去年と比べて涼しく、やや冷夏といった感じですが、いよいよ、お盆休みも明け、下半期がスタートしました。皆さんは、どこかへ行かれましたか?

8月・・・夏休みで、子供たちは海にプールにと、ワイワイだが、テレビはいつも戦争の話である。

終戦から、はや64年という時間を経てもなお、避けがたく、やり直せない過去の出来事に、癒しがたい傷を負った多くの人がいることを、私は夢想だにも、忘れる事はない。20代30代の若さで、戦地で死んでいった無念さを、思えば察してあまりあるのである。

戦争体験者が高齢となった近年、今まで公開されていなかった新証言や記録が報道機関に公表されるようになった。私は、せめて8月は戦争と平和を考えようと、例年の夏どおり、注意してテレビ番組を確認しながら、視聴した。今年の番組で耳目を引いたのは、「気骨の判事」と「日本海軍」。ともにNHK製作のものだ。

  法廷.jpg昨日放映されたこの「気骨の判事」は、今の最高裁にあたる大審院で、戦時下で時の権力と戦い、横暴な圧力にも負けず、法の正義を貫いた、吉田 久裁判長の話である。

戦時中に施行された衆議院選挙で、鹿児島県第二区の前職議員の選挙活動を組織的に妨害行為をなしたという、今で言う、公職選挙法違反事件、選挙無効の訴訟であった。判事たちは鹿児島まで出張法廷を開き、証人尋問を204人も行い、妨害の事実を立証して、昭和20年3月1日に判決宣告となる。そして「選挙は無効である」と宣言した。

なにもかもが軍部の威光を恐れ、異議を申し立てられない。はむかうものは、牢獄という時勢下で、この民事第三部の判事たちは、社会のあるべき秩序を思い、法の正義に則り、判決を下した。まさにこんな時代に信念を曲げずに法の良心にゆだねた姿は真似のできるものではない。この判決後、吉田判事は、その職を辞し中央大学の教授に就任して昭和46年になくなる。

私は、こうした一途な生き方に、深い敬慕の念を抱くのである。

大審院.jpg

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