冬の夜空は、にぎやかだ。肌寒い夜などは空気も澄み渡り、冬の星座の星々が上空の風に揺らぎながら、その光の度を増している。
今月は、夕方の西の空に、神々しく輝く星がある。ご存知、宵の明星、金星だ。
子供たちが、一番星みつけたというのは、まさに、この星なのだ。話はそれるが去年から、この宵という漢字は常用漢字から外された。確かに読みずらいし、形も奇妙な感はある。調べてみるとこの時間帯は、妖怪などの魔物が出るとされたいた。どおりで・・・しかし古典の香りのするいい字だと私は思っている。
さて、この宵の明星だが、地球よりも太陽側を回っている内惑星なので、真夜中に見ることはできない。日の出前か、日の入り後が観望となる。太陽が沈んだ後、最も、西方で高度(地平線から、天頂に向かって離れる角度)が最も大きい角度を、西方最大離角と呼んでいる。高度は46°とかなり、がんばってくれる。(今回の西方最大離角は、1月15日であった。)
地球から見える他の天体としては、太陽、月の次に明るく、-4.6等星。夕空にひとつ輝く姿は、夜空にかかるダイアモンドのような輝きを持ち、古くから書物に書き記され、神格化されたりもした。英語のヴィーナスは、ギリシャ語のアフロディーテで、愛と美の女神である。
しかし、これほど、まばゆい金星も、実は始まりは地球とほぼ同じであった。金星はいまなお、二酸化炭素が主成分の極熱地獄で、地表の平均気温は400°、CO2の温室効果によるものだ。ちなみに気圧は地球の900倍である。地球がこの運命を逃れたのは、大気が冷却され海ができ、二酸化炭素が吸収されたことまた、炭酸塩などの化合物により、姿を変えたからである。ひとつ間違えば、あの惑星と同じく、生命の誕生などありえない死の惑星となるところであった。
今、21世紀の世界が直面している、温暖化防止の取組みも、こうならないためのもので、あの美しく輝く、金星はまさに「戒めの惑星」なのかもしれない。
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